中村一義が20時間を越えるインタビューで衝撃の過去、現在、そして未来を語り尽くした『魂の本』。完全予約限定生産のため現在はAmazon、タワーレコード、一部書店において店頭在庫のみの販売となる本書の一部を特別公開!
テーマはビートルズ、そしてジョン・レノン!
文=林和弘 写真=佐内正史
―――中村さんって、どんなふうに曲作りをされてるんですか? 何か決まり事とか、スタイルとかあるんですか?
中村 えっと……何もしてないんですよね(笑)。何もしてなくて、メロディが出てくるんです。それを次の日も覚えてたら出来上がりっていう世界です。頭の中にシーケンサーなりプロツールスみたいなのがあって、それをその通りに、初期衝動を入れてやるっていう感じで。
―――「メロディが勝手に出てくる」「頭の中にプロツールスがあって」という感覚が僕にはわからないんですけど、それはどういう感じなんでしょうか?
中村 うーん。
―――たとえばジミ・ヘンドリックスの昔のインタビューとかを読むと「頭に中で音が鳴りまくって、俺は眠れないんだ」みたいなことを言ってたりするんですけど。
中村 ホントにそうなんですよ。もう仕事が辛くて、朝方八時に寝るみたいなときってありますよね? でも十時ぐらいになると、すっごい鳴ってるんです。もう仕方ないから二時間で起きてギター弾いてみる、みたいな感じで。いまでも、そうなんですよ。
―――それは天才ですよ、中村さん(笑)。
中村 いや、でも生活者としては辛いんですよ(笑)。もうちょっと寝たかったなあって。
―――反対に煮詰まって「自分からは、もう曲が出てこないんじゃないか?」って思うことはないですか?
中村 全然ありますよ、それは。
―――理詰めで考えて「もう俺の才能は枯渇してしまったんじゃないか?」とか。
中村 毎アルバムごとに、そうだと思います。ついこの間までも、そうだったんですよ。一曲できるんだけど、その後ができないみたいなこともあるんで。ああ、イヤな商売だなって思います。
だから、あらかじめ人とは違うってのかなっていうことも自覚してますけどね。一般の人から見たら、明らかにおかしいわけじゃないですか? 曲の書き方ってわからないんですよ、いまでも。コード進行の流れで作っていこうと思ったら、いくらでも曲は作れたりするんですけれど、そういう曲は朝方できるような曲には敵わないんですよね。
―――でも、僕みたいに、そういう素養がまったくない人間からすると、ものすごいと思いますよ。
中村 あとは夢の中で曲を作ってるみたいな感じもありますよ。いまできてる曲は、もう、すべて夢でできてます。起きると完成してるっていう。
―――ポール・マッカートニーが夢の中で「イエスタデイ」を作った、みたいな話ですね(笑)。
中村 そうですね(笑)。起きてるときは、毎日ものすごいプレッシャーを感じてるんですよ。「今日も何もする時間がなかった」とか。でも、そんなときに夢の中でポッと曲ができるときもあるんで、それは素直に「ああ、良かった!」みたいな感じで日々回ってるなって思います。
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初の"語りおろし自伝"。「状況が裂いた部屋」で宅録に明け暮れる孤独な天才少年が、「僕の人生はバラ色に変わった!」というメッセージを発するまでの絶望と赦し、その心の彷徨―――そして今。
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1975年2月18日生まれ。東京都江戸川区出身。1997年1月にシングル「犬と猫」でデビュー。同年、アルバム『金字塔』を発表。2002年にバンド・100sを結成、リリース、ツアー、フェスなどコンスタントに活動を行い、現在新作を準備中。2011年3月23日には初の著者『魂の本』、4月13日にはコンプリートBOX SET『魂の箱』とベストアルバム『最高宝』を同時リリース。