腐女子な彼女との楽しい生活を描いた人気マンガ『となりの801ちゃん』シリーズ。その実写版第2弾となるDVD『となりの801ちゃん Love & Peace』がついに発売! 今回は、本作の主人公・チベくんを演じた近江陽一郎さんに直撃! サンシャインのように爽やかな近江さんの笑顔とともにお届けします!!
取材・文=高野麻衣 写真=小原太平
―――今回が単独初主演ということすね。チベくん役に抜擢、という話を聞いたときの印象から教えてください。
まずドッキリだろうと思っていましたね。(僕が所属している)D2のライブで使うドッキリなんでしょって。だって、僕が単独で主演というだけでも信じられないのに、尊敬する先輩、瀬戸(康史)さんの演じた役でしたから。
―――でもドッキリではなく、企画は進んでいきました。最初に原作を読まれたと思うのですが、なんと近江さんは「801(やおい)」の意味を知るところからのスタートだったとか。読んでみて、いかがでしたか?
一番最初に感じたのは、「未知との遭遇」ですね(笑)。
―――(一同爆笑)
マンガに書いてあることが全然わからないので、注釈を一生懸命読むんですが、読んでもわからないんです(笑)。注釈にある単語から調べる、という英語のリーダーみたいな作業をして読み進めたんですが、当然、一冊を読むのにめちゃめちゃ時間がかかりました。
でも読みこんでいくうちにだんだん理解していって、ある日、チベくんと801ちゃんの関係性を「いいな」と思える瞬間があったんです。
―――分岐点ですね。きっかけはなんだったんですか?
ふたりがまったく別々のことをしているとき、801ちゃんがふと「お館さまー」とつぶやき、チベくんが「幸村ー」と返すお話があるんです *1 。これが大好きで。いいなあ、と思っていたら脚本にもあったので嬉しかったです。ここは本番でも、唯一監督に褒められましたね。「お、いいじゃん」って。
このやりとりって実は、特別なふたりじゃないとできないですよね。マニアックな話が多いので勘違いしそうになるんですが、『となりの801ちゃん』に描かれているのって単純な男の子と女の子のラブストーリーで、すごく理想のカップルなんじゃないか。この空気感を伝えられたらなあ、といつも考えていました。
―――実際、映画を観た女性の多くは、ふたりがうらやましくなったと思います。
(ガッツポーズで)やった! それを言ってもらえると嬉しいです。僕自身、ふたりがすごくうらやましかったので、観た人にも同じように感じてほしかったんです。
―――チベくんと801ちゃん、ふたりの間合いも絶妙でした。
801ちゃんのことをどれだけ好きになれるか、信頼し会えるかがキーだなと考えていたのですが、801ちゃんを演じた、この広澤草という人が本当にいい方だったんです。役者としてももちろん尊敬できるし、常にまわりを気遣って、明るくして、盛り上げてくれて。だから僕は、とても恵まれていました。自然と間合いもできていったと思います。

―――キャストやスタッフの多くが第1弾からの続投で、転校生のような感じだったという近江さんですが、その緊張を和らげてくれたのもやはり広澤さん?
はい。あと(監督の)寺内さんです。寺内さんは「パート2をやるからには前作を越えよう」と言ってくれました。それはプレッシャーでもありましたが、ふたりはすごく力になってくれて。「3人で話し合って、3人で全部を消化しよう。3人で理解できないシーンはナシにしよう」といつも言っていました。だからとことん相談して、親身になって応えてもらって、一個一個を解決していきました。
―――どんなことを解決していったのでしょう?
そもそも一番最初のリハーサルに僕が創っていったチベくんは、チベくんではありませんでした。いま思うと「チベくんのセリフをしゃべる近江陽一郎」でしかなかったんですよ。そこで最初の壁にぶち当たって、ゼロからやり直すところからやっていきました。
―――最初のチベくん像とは、どんなものだったんですか?
単純に「弱い子」でしたね。
―――弱くて、気は優しい?
その「優しい」がなかったんですよ。でもそれは違ってて、信頼しあえているからこそ、ビンタされても許せるような関係性じゃないとだめなんです。つきあって1ヶ月とかのカップルだったら別れちゃうようなことでも、ふたりだから大丈夫なんです。なによりチベくんは801ちゃんのことをだいっすきっ!(強調)であるということ。これが大前提なんですよね。それをひっくるめて理解していくことで、新しい、近江なりのチベくんを創っていきました。
―――素晴らしい出会い、そして経験ですね。プラスアルファされた「優しさ」は、本当に大きな、受け止めるような男らしさにも感じられました。
だったら嬉しいです。とても短い期間でしたが、密度の濃い、忘れられない経験になりました。自分が持っているものを全部出して、精一杯演じたつもりです。
*1 人気ゲーム『戦国BASARA』のキャラクター真田幸村と、その主君・武田信玄の呼びかけ。名前を連呼しつつ殴りあう熱いやりとりは定番のイベントとなっている。
1989年4月5日生まれ。第6回D-BOYSオーディション審査員特別賞を受賞。ワタナベエンターテインメント若手俳優集団D2のメンバーとして、舞台・映画・TVと幅広く活躍している。ユニット初の冠番組『D2のメシとも!』DVD-BOXが9月21日に発売されたばかり。