頑張れニコ・ニコルソン! インタビュー&山元町レポ

2011年3月11日。東日本大震災で、宮城県山元町にあるニコ・ニコルソンさんの実家は、1階が津波に呑まれる大きな被害を受けました。その家を建て直すまでのエッセイを「ぽこぽこ」にて連載中のニコさんに、山元町のことやニコさんの生い立ちのこと、色々伺ってきました。山元町の取材レポと一緒にどうぞ。

文・写真=藤岡美玲  写真=ニコ・ニコルソン

2012年3月14日公開

3月11日のこと

▼山元町レポート
2011年12月某日、新幹線で仙台駅に到着。とても良い天気です。今日打ち合わせをする三井ホームさんは、仙台駅の近く。間取りの提案をいただいたり、補助金の説明をしてくださったりしました(詳細は今後の本編に譲りますが、かなり前途多難な感じです)。
母ルソンさんの運転で、母ルソンさん&婆ルソンさんが住む仮設住宅に伺いました。人里離れた高台にあり、「ドラクエの最初の村みたいな雰囲気」(byニコさん)です。
ちょうど、防寒のため玄関を二重にする工事中でした。手遅れ感があるくらい寒かったです……。

―――2011年3月11日、何をしていましたか?

ニコ 第1話で書いたとおりですが、締切に追われながら、その合間にジムに行って、そこで知らないおばさんを腰につけて揺れてました。どこが震源かも分かりませんでしたが、前日に何度か宮城県沖の地震があったので、「もしこれで震源地が宮城だったらやばいぞ」って。急いで家に戻ってテレビで確認したら、案の定宮城で……。まだ津波は来てなくて、NHKで「3メートルくらいのが来る」って言ってたのかな。3メートルなんて、堤防でパシャンて跳ね返せるだろうと思って。母ルソン(ニコさんの母)も婆ル(ニコさんの祖母)もそう思っていて、家に帰って呑まれたという。

―――ちなみに、その時「うんこちんちん」と描こうとしていたのは、なんの原稿だったんですか(笑)?

ニコ 「デジモノステーション」で『オトナ☆漫画』というマンガ紹介コラムの連載をしているんですが、榎本俊二先生の子育てマンガ(『榎本俊二のカリスマ育児』)を紹介していて、それで……。榎本先生なので、シモネタは必須じゃないですか、肝じゃないですか(笑)。シモネタのない榎本作品なんて、モツが入ってないモツ鍋ですよ(好物のレバ刺しと共に注文したモツ鍋を指して力説)。そこは描かねばならないと思って描いた次第です。その後、震災で色々なところががナーバスになってしまって、よりピリピリしていたせいもあると思うんですが、見事に編集長チェックでボツをくらいました。その電話がちょうど生存確認の電話を待っている時にかかってきて。「はい、直します」って、家に帰ってセリフを変えました。

―――震災後に、描いてはいけないことって増えましたか?

ニコ 波に呑まれるとか。溺れるっていうのも、池でもダメでしたよ。実際現地の方々は、全然気にしないというか、そんなこと気にしてる余裕もなかったと思いますが……。

―――「こういうことを気にする人がいるはずだ」って言う人のことを気にする、というループがあるような気がしました。

ニコ 見当違いの優しさな感じはしますよね。でも、この前『崖の上のポニョ』を見て、これはちょっと……描写が上手いだけに、波に呑まれた経験がある人は怖いって思うんだろうなって。だから、気を遣うのも間違ってはないと思うんですけど。

上京さん
上京さん

著者:ニコ・ニコルソン
発行:ソニー・マガジンズ
発売日:2008.02
価格:850円+税

  • Amazon.co.jp はこちら

お金がなくても、コネがなくても、必ずなれる、素敵な上京さん。一人暮らしの東京で生きる術、おバカな体験談などギュッと凝縮してお届け。描き下ろしイラストエッセイ!

榎本俊二のカリスマ育児

榎本俊二の
カリスマ育児

著者:榎本俊二
発行:秋田書店
発売日:2007.01
価格:800円+税

  • Amazon.co.jp はこちら

超多忙な漫画家生活中に結婚、そして怒濤の育児突入!! 「えの素」「GOLDEN LUCKY」など奇跡のギャグ漫画を生んだ榎本俊二が贈る、未だかつて見たことのない育児エッセイコミック!!!

  • プロフィール
ニコ・ニコルソン nico nicholson

宮城県亘理郡山元町出身のマンガ家/イラストレーター。2013年には『ナガサレール イエタテール』(太田出版)、『ニコ・ニコルソンの漫画道場破り』(白泉社)、『ニコニコ妖画』(講談社)、『ニコ・ニコルソンのオトナ☆漫画』(エムオン)を連続刊行して注目される。ちなみに、ペンネームを決めたのは某動画サイトが登場するより前のことらしい。

『でんぐばんぐ』が好評連載中!