コザキユースケ × スタジオカラーデジタル部

宇宙から飛来した双子のバーチャルアイドルユニット"メーウ"。8月24日発売の2nd MAXI シングル『pair*』(ペア)に収録される同曲のPVを制作しているのは、なんと話題作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』でお馴染みスタジオカラーデジタル部!
PVの演出、アニメーション制作、ジャケットデザイン、ブックレットに至るまでスタジオカラーデジタル部が担当したという、このトゥーマッチすぎるプロジェクトのヒミツを探るべく、"メーウ"のキャラクターデザインを担当した人気マンガ家・コザキユースケ氏とともにスタジオカラーへ急行!
スタジオカラー名物の畳敷き会議室よりスペシャル座談会をお届けします!

文=林 和弘  (C)KINGRECORDS

2011年8月22日公開

「やりたいことを全部汲んでもらってる! と思って、うれしかったです」(コザキ)

  • 「やりたいことを全部汲んでもらってる! と思って、うれしかったです」(コザキ)

―――今日は“メーウ”のキャラクターデザインを担当されたコザキさんと一緒にスタジオカラーさんにおうかがいしたわけですけど、デジタル部のみなさんとコザキさんが実際にお会いするのは初めてですよね?

スタジオカラー小林(以下、小林) 初めてですね。でも、会社にコザキさんの大ファンがいて、あとで同人誌にサインをいただきたいんですけど(笑)。

コザキ (差し出された同人誌を見て)これを買うなんて、マニアックですね(笑)。

―――かなりコアなコザキさんファンがカラーにはいらっしゃる、と(笑)。というわけで、まずはコザキさんにお聞きしたいんですけど、今回のPVにも登場しているメーウという双子のバーチャルアイドルをデザインされるにあたって意識されたこととかありましたか?

コザキ デザインする上で考えていたのは、個人的にメーウのキャラクターってパッと見すごく媚びてはいるんですけど、実は媚びてはいないんですよね。アキバ系ではないんです。どちらかというと、普通のファッション誌に載っていても違和感がないデザインというのを目指していたんで。
 だから、むしろ一般の人が見たステレオタイプなオタクなんですよね。オタクの人から見たら「それは違うよ」っていうような、一般の人が考えるオタクなんだけど「でも、ちょっといいね」っていうラインを目指してはみたんですけどね。

小林 あ、それは結構、今回のPVで僕たちが目指したものと同じだったのかもしれないですね。

コザキ ホントですか? 最初ショートバージョンのPVを観たとき「俺がやりたいと思ったことを全部汲んでくれもらっている!」と思って、うれしかったですよ。

小林 良かったです(笑)。今回、キングレコードさんからデジタル部に「PVを作りませんか?」というお話をいただいたとき、確かにアイドルであるとかアニメ的な絵作り、オタク的な要素も強いんですけど、やっぱりバーチャルアイドルでも、より実在感みたいなのを表現できればいいな、とは思ったんですよね。僕の中では『サザエさん』のオープニングみたいな、ふたりが列車に乗って各所の工場を回って……みたいなことを考えてはいて。

―――サザエさんが意味もなく日本各地の名所旧跡を回る、みたいな(笑)。

小林 考えてみると支離滅裂なシチュエーションではあるんですけど(笑)、あまり魔法が出てきたり、空を飛んだりとかじゃなくて、本当にいる女の子たちが、ああいうところで踊っている。特にPVの前半部分では、そういったシチュエーションをできるだけ印象付けたいな、とは思っていましたね。本当にいる10代のアイドルを撮ってる、みたいな実在感を狙ってはいました。

―――PVを観ていると、確かに、そんな感じはしますよね。ベタな萌えという感じでは全然なくて。

小林 コザキさんのデザインを活かすためには、媚びた売り方してもしょうがないかなって感じもありましたよね。もともとコザキさんの絵がいい素材だったので、それを上手く使わせてもらいつつ、ウチのアニメーションの能力も発揮できれば、一番いい形ができるかなっていうことだったんですよね。

コザキ 背景の工場や列車は、カラーさんにある素材を使ってるってことなんですか?

小林 それも使っている、という感じですね。でも新規で起こしてるものも、結果たくさんあったりして(笑)。

スタジオカラー瓶子(以下、瓶子) いまは『プリキュア』もそうですけど「CGのキャラクターが踊る」という映像は、たくさんあるんですね。その中でカラーがバーチャルアイドルのPVを作るにあたって意識したのは、背景美術の豪華さです。踊っているステージの作り込みとか、シチュエーションのバリエーションなんです。ウチには独自の工場や列車の3Dモデルライブラリーがたくさんある。同時にそれを使うことは確実に「カラーらしさ」にも繋がってくるので、戦略として新造した素材に混ぜてたくさん使いました。

―――PVに出てくる列車の「どっかで見たことある」感っていうのは、本当にカラーでしか出せない魅力ですよね。

瓶子 ありがとうございます(笑)。もうひとつ、いま3Dでいいアニメーションと言われてる作品に関して言うと、影がバタつくことを嫌ってなんですけど、セルのときにはあったはずの影が揃って少なくなってるんですね。3Dで映像を作るときには、いろいろ素材とか乗せたりとか足せるはずで、むしろ本当はセルの頃よりも情報が足せるはずなのに減っちゃってる。それは逆だなと思ったので、今回コザキさんのイラストに100%合わせられたわけではないですけど、他の映像ではやっていない、pixivに載ってるようなCGのイラストに近いものをキッチリと映像として動かす、ということも考えていましたね。

フキダシ付きで独占公開!『pair*』PV絵コンテを見る

pair*
pair*

メーウ
発売・販売:キングレコード
発売日:2011.08.24
価格:1,714円+税

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アニメバラエティ『ユルアニ?』内『ほんとにあった!霊媒先生』EDテーマを収録した、バーチャルアイドルユニット"メーウ"の2nd MAXIシングル!同梱のDVDにはスタジオカラーデジタル部が制作した表題曲のPV&Making ver.を収録!

  • プロフィール
コザキユースケ YUSUKE KOZAKI

1978年5月12日生まれ。1997年に第215回『ヤングマガジン』月間新人漫画賞で奨励賞を受賞、翌年『別冊ヤングマガジン』より『未確認非業少女カオル』でデビュー。現在は『月刊BIRZ』にて『烏丸響子の事件簿』(原作:広井王子)を連載中。また人気ゲーム『NO MORE HEROES』のキャラクターデザインを務めるなど、マンガ・イラスト・アニメ・ゲームなどジャンルにとらわれない幅広い分野で活躍中。

スタジオカラー
デジタル部
KDB

庵野秀明氏が代表を務める株式会社カラー。その制作スタジオであるスタジオカラーのCG制作を担う。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を始め、『劇場版マクロスF』 『機動戦士ガンダムUC』、さらに7月に行われた「手嶌葵 360°ライヴ in nicofarre」にも参加、活動の幅を広げている。本座談会には同部の部長である瓶子修一氏、CGI監督の小林浩康氏、2Dデジタルワークを担当する増田朋子氏が参加。