スペシャル対談 古屋兎丸×岡田屋鉄蔵

2011年4月にオープンした「ぽこぽこ」のスターティングメンバーにして、互いにツイッターでフォローしつつされつつの間柄だった古屋兎丸先生と岡田屋鉄蔵先生。11月29日には『ぼくらの☆ひかりクラブ 上[小学生篇]』と『ひらひら 国芳一門浮世譚』が同時発売となったおふたりによる注目の初対談が実現!!

文=ぽこぽこ 写真=辺見真也

2011年12月27日公開

「絵を描く仕事をしていると、国芳の生き様にハッとしますね」(古屋)

  • 「絵を描く仕事をしていると、国芳の生き様にハッとしますね」(古屋)

―――今回は年末特別企画ということで、今年4月にオープンした「ぽこぽこ」のスターティングメンバーである古屋さんと岡田屋さんの対談をお届けできればと思うんですけど……まずは『ぼくらの☆ひかりクラブ [小学生篇]』と『ひらひら』の単行本発売、おめでとうございます!

古屋 ありがとうございます。嬉しいですね。

岡田屋 ありがとうござます。あっという間に駆け抜けた7ヶ月でした。

古屋 『ひらひら』の構想は、いつからだったんですか?

岡田屋 構想は……連載のお話をいただいてからでしたね。去年の11月くらい。それから半年くらいで構想を練って第1話を作りました。準備期間は少なかったんですけど、そのおかげで勢いがついたんだと思います。

古屋 資料集めとか大変だったんですか?

岡田屋 担当さんにも手伝ってもらって、とにかくかき集めましたね。だから『ひらひら』もね、国芳をもっと描きたいんで、よろしくお願いします(笑)。

古屋 もったいないですよね、この長さっていうのが。続きを絶対作れると思うんですよ、これだったら。

岡田屋 作りたいですね。伝八郎の話じゃなかったとしても、お弟子さんひとりひとり、たくさんいるので。

古屋 お弟子さんのキャラが立っているのに、この長さだと、ひとりひとりのことを全部描けないじゃないですか? だから、ひとりにつき1冊みたいな感じじゃないですか。

岡田屋 やりたいです。せめてワンエピソードぐらいは。

古屋 そうすると6~7巻ぐらいはいけそうですね。

岡田屋 やりたいなあ!

古屋 『ひらひら』は、どれくらい史実に沿ってるですか?

岡田屋 ちょこちょこと史実を挟んでますがあくまで娯楽時代劇と思って描きましたので、あまり史実にこだわらず「どこまでが史実なの?」ぐらいのブレンドでやってます。

古屋 伝さんが死にかけたというところは作りなんですか?

岡田屋 伝八郎の存在自体は完全なフィクションです。花魁と伝八が完全なフィクションで、あとは実在の人物。梅の屋と国芳ぐらいしか細かいことはわかってないので、他の登場人物の性格づけとかは私が絵を見て「こんな感じかな?」と想像して。

古屋 国芳はいいキャラですよね、ほんとに。

岡田屋 ですねぇ(笑)。国芳はいろんな方が口伝とかを残しているので、どんな人物像だったか、ある程度は想像しやすかったです。

古屋 こんな感じだったんですか? やくざの親分みたいな?

岡田屋 たぶん、そんな感じだったと思います。倶梨伽羅紋紋を背負った弟子たちを引き連れて、いつもわいわいやっていた。ちょっと調べるとわかるんですけど、一度お上に目をつけられた時期があるんですよね。なんとかして悪いところを見つけようって探索が入るんですけど、最終的に探索した人間たちが「どこにも悪いところがない真っ正直でまっすぐな人間だ」っていう記録を残してるんです。あと金もねぇぞ、と(笑)。

古屋 ははは(笑)。宵越しの金も持たないようなタイプなんでしょうね。

岡田屋 きっとそうですね。金が入ると弟子と遊んじゃって残らないっていう。

古屋 国芳の生き様というか、どうしても絵を描く仕事をしていると、なんかハッとしますよね。自分自身が楽しまないといい作品が描けないんじゃないかってね。岡田屋さん自身も、そういう考えなんですか?

岡田屋 はい、楽しんでナンボだと思います。ありがたいことに今まで楽しんでない作品っていうのはないので、そういう意味でも今回の『ひらひら』は特に楽しかったです。「ぽこぽこ」のフキダシも手伝ってくれて楽しさ倍増でした。

ひらひら 国芳一門浮世譚
ひらひら 国芳一門浮世譚

著者:岡田屋鉄蔵
発行:太田出版
発売日:2011.11
価格:743円+税

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岡田屋鉄蔵の江戸娯楽時代劇! 武家出身の伝八郎は、ひょんなことから浮世絵師歌川国芳の弟子となる。国芳一門の絵師として、伝八郎が成長していく様を描く。

ぼくらの☆ひかりクラブ 上[小学生篇]
ぼくらの☆ひかりクラブ 上[小学生篇]

著者:古屋兎丸
発行:太田出版
発売日:2011.11
価格:952円+税

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傑作『ライチ光クラブ』前日譚! 「光クラブ」と名づけられた少年たちの秘密基地。無邪気な遊び場が、残虐な物語の舞台へと変貌したのは何故なのか――。

  • プロフィール
古屋兎丸 USAMARU FURUYA

1994年に『ガロ』より『Palepoli』でデビュー。以後、精力的に作品の発表を続け、緻密な画力と卓越した発想力、多彩な画風で、多くの読者の熱狂的な支持を集めている。主な著書に『ライチ☆光クラブ』 『インノサン少年十字軍』 『Marieの奏でる音楽』 『幻覚ピカソ』 『人間失格』 『帝一の國』。2012年12月には『ライチ☆光クラブ』の舞台化が予定。

岡田屋鉄蔵 TETUZOH OKADAYA

2007年、『タンゴの男』(宙出版)で商業誌デビュー。その後は活躍の場を広げ、2010年には奇譚時代劇『千』(白泉社)を発表、『このBLがやばい 2011』にてコミック部門8位を獲得するなど、読者から大きな支持を集める。過去作品なども公開している、岡田屋鉄蔵のホームページはこちら
★国芳一門前日譚『むつのはな』が好評連載中!